映画『アイネクライネナハトムジーク』が捉えた人間同士の繋がり

私事ですが、この度仙台に転勤することになりました。そのために仙台に物件を探しに行った帰り道、突然訃報が舞い込んできました。このニュースを見て思い浮かんだ映画は、今泉力哉監督の『アイネクライネナハトムジーク』。もちろん彼が出演しているのもあるけれど、何と言っても舞台が仙台。伊坂幸太郎のこの原作はすでに読んでいました。そして仙台の雰囲気と彼の演技を記憶するためにも、観るしかないと思いました。このブログも、仙台へ向かう新幹線で書いています!

物語の中心となるのは、三浦春馬演じる佐藤と多部未華子演じるさき。この2人の10年に渡る関係性が描かれています。「君に届け」という漫画に中学生ぐらいの時にはまったのですが、その実写映画で共演していた2人。4年に一度共演するのでオリンピックカップルと言われています。私も大好きな“カップル”です。

【公式】『アイネクライネナハトムジーク』9.20(金)公開/本予告

この2人がメインではあるものの、オムニバス形式で物語は進んでいきます。ボクサーと美容師、佐藤の上司、佐藤の大学時代からの友人夫婦とその娘……。他人同士、思わぬところで繋がっている事はありませんか? 客観的に彼らを見ているにも関わらず、そのような感覚になりました。人と人との関わりや繋がりがあり、それぞれの人間は内側に様々な思いを抱えているんだな、と本作で描かれるどのシチュエーションを見ても思ってしまいます。それほど人間らしい作品と言えるでしょう。

一見クソみたいな人間でも実は様々な葛藤があったり、円満だと思っていても急にプツンと糸が切れたように想いが変化することだってある。私は本作からそんな人間の“深さ”を学んだ気がします。

仙台生活、ちょっぴり楽しみになりました。