Paterson (’16)

Directed by Jim Jarmusch 

『ストレンジャー・ザン・パラダイス』などを手がけたジム・ジャームッシュ監督作品。これから公開するビル・マーレイとアダム・ドライバーが出演するゾンビ映画『デッド・ドント・ダイ』も製作しました。私アダム・ドライバー大好きなので、めちゃくちゃ楽しみにしています!彼は最近の「スターウォーズ」やアカデミー賞で話題になった『ブラック・クランズマン』などに出ています。前回紹介した『ヤングアダルトニューヨーク』にも!

今回はアダムとジム・ジャームッシュの映画『パターソン』!バスの運転手パターソン(アダム・ドライバー)と妻ローラと愛犬の平凡な一週間を映し出した物語。ストーリーはゆっくり進んで行きます。

彼が書くポエム、双子、バスの故障、愛犬、料理下手な愛妻。一週間を切り取るけれど、同じ日は一度もない。起きる時間は同じでも、毎日寝相が違うのが愛おしく感じます。

そして何よりの見所は、”詩”にあります。劇中に出てくる様々な詩人達を知っていればこの映画は格段に楽しくなるはず。

そして実は、日本人キャストとして俳優・永瀬正敏さんが出ています。そちらにもぜひ注目して観てください!

(cover picture by SAFOULA! Thank you again!)

While We Are Young (’15)

young adult new york!

邦題『ヤングアダルトニューヨーク』は、40代のジョシュというドキュメンタリー映画監督とプロデューサーの夫婦(ベン・スティラーとナオミ・ワッツ)が、映画監督を目指す20代の若い夫婦と出会い、刺激を受けていく物語。大好きなアダム・ドライバーとアマンダ・セイフライドが若い夫婦役で出演しています!そして大好きなA24というスタジオが手がけています。

ジョシュはドキュメンタリー映画監督として伸び悩んでいます。そんなところに若い夫婦が現れます。彼らはボードゲームやレコードなど一昔前の生活を好む。そして夫のジェレミーもまた、ドキュメンタリー監督の卵として活動しています。そんな若夫婦とジョシュ夫妻は仲良くなっていくけれど、一方でジェレミーは瞬く間に成功していくといったストーリーです。ジョシュの葛藤や、2組の夫婦の考え方の正反対さに注目すると非常に面白い作品。

 

最初の大学の講義シーンで、ゴダールの言葉「記録映画の主体は他人。フィクションは自分」が紹介されています。間違いなくこの言葉、この映画のキーワード。ネタバレになってしまうのであまり書けないけれど、ジョシュと若手監督ジェレミーの考え方の違いがこの言葉に詰まっています。ジェレミーの考え方が、このゴダールの言葉に近いですね。(映画を見れば何のことかわかると思います、、、)

映画.com : https://eiga.com/movie/81388/

Filmarks : https://filmarks.com/movies/57981

YouTube : https://youtu.be/K9cG9BzxMps

(写真はニューヨークに行ったときのものです!)

The Breakfast Club (’85)

5 high school students meet in Saturday!

『ブレックファストクラブ』は1985年に公開された、高校生のアンドリュー、クレア、ブライアン、ジョン、アリソンの5人が土曜日の図書館で補習を受けさせられている中で起こる会話がメインの作品です。体育会系、プリンセス、ガリ勉、不良、不思議ちゃんと、全く普段関わることのない人たちが閉め切られた部屋で長時間過ごすという実験的な意味も持つ映画です!

ちょっと分析。よく言及されるシーンです。まず、彼らが登校してくるシーンに注目してみると、人それぞれ全く違う、、プリンセスのクレアは父親にBMWの車で送ってもらい、助手席に座っている。ガリ勉のブライアンは母が運転する車に妹と一緒に乗って来ている。同じく助手席に座っているが、先ほどのクレアとは違い、薄汚れた赤い車である。体育会系のアンドリューは天井の広い車で父親の運転で、助手席に乗って来ている。不思議ちゃんのアリソンは、親か誰かに車で送ってもらっているが後部座席に座り、一言も交わさずに車を降りている。その車の前を横切るように不良のジョンは、カバンも持たずサングラスをかけた格好で歩いて登校して来た。このシーンからもわかるように、それぞれのグループも違えば育ちも家族との関係性も全く違うということが見て取れます。

この映画の監督は『ホームアローン』も撮っています。『フェリスはある朝突然に』という映画もこの監督で、『ブレックファストクラブ 』と『ホームアローン』が混ざっている感じがして、面白いので超おすすめです!

 

Battle of the Sexes (’17)

“Male chauvinist pig” vs “Hairy-legged feminist”?

ウーマン・リブとLGBTQ+について描かれている映画です。エマ・ストーンとスティーブ・カレルが、テニス史上に名を残したビリー・ジーンボビー・リッグスという人物を演じました。この2人の再現率が素晴らしいと話題になりました!

テニス女王として輝いているのにも関わらず、男性プレーヤーの8分の1しか賞金をもらえないビリーと、男性が優位であるということを証明したい嘗てのテニス王ボビー。この2人の対決が物語もメインです。

私はこの映画をドイツに向かう飛行機の中で観ました。正直、「エマ・ストーンが出ているし観ようかな!」くらいの気持ちでしたが、物語が深すぎて、しかもそんなに昔の話ではないのでしばらく考え込んでしまったのを覚えています。

 

さらに既婚者であるビリー・ジーンは美容師の女性と浮気をしてしまい、そこから自分は女性も好きだと自覚します。この時代、周りにカミングアウトしている人達は少なかったかもしれないし、試合前の出来事で戸惑ったかもしれない。それでも勇敢に立ち向かったビリーはとても強い女性だと思います。

昔はこういうこともあったんだ、と胸に留めておける映画だと思います。女性も男性もそれ以外の人も!私は観て欲しいな!

(絵は中学時代からの友人が書いてくれました!Thanks SAFOURA<3)

Ford vs Ferrari (’19)

Hakuryoku ga Yabai!

とあることがきっかけで見てみたこの映画。インターンをしていた会社もこの映画に携わっていたのを思い出しました。父も彼も車が好きなので、少し勉強したくなった、、

アメリカのフォード社が新たな試みを始めようとした。それはレースに進出すること。フェラーリが圧勝していた時代に、フェラーリを買収してでもその記録を塗り替えようとしました。フェラーリの買収に失敗したフォード社は、嘗てレースに出場し今はカーエンジニアのシェルビー(マッド・デイモン)と、天才レーサーのケン・マイルズ(クリスチャン。ベイル)を仲間にし、1966年ル・マン24時間耐久レースに出場させるというお話。

この映画に出てくるのはGT40という車。その後、4年連続でそのル・マンを優勝し、今でも高い人気を誇っています。私は車にほとんど興味なかったのですが、これを観て(にわかですが)「レース応援するの超楽しい!」と思いました、、映画だったのにドキドキが止まらなかったです、、、

車のことが全然わからなくても、思わず応援したくなるお話。新たな事業を始めるときに、相手を見極めてそれを超える対応をしていく。シェルビーたちの車に対する愛情も、勝利を導いた理由だと思います。指示するリーダーも、実際に現場に立って見ることも重要なんだなあと感じられました。

 

Parasite (’20)

Best picture of the academy !

皆さんご存知、今年度”アカデミー賞”で見事作品賞を受賞した『パラサイト』。韓国の格差社会を描いた映画として評価されています。昨年度注目された『万引き家族』に続き、アジアの映画が世界で注目されており、わたしもアジア人としてテンション上がる、、

韓国旅行大好きで今までに5回以上!2ヶ月間住んでいたこともあり、韓国映画やドラマを観ると行きたくなってしまう、、、

(韓国の大好きなプルコギ屋さん)

YouTubeにポンジュノ監督と、日本の是枝監督との対談がありました。私は正直なところ、ポンジュノ監督の映画を見たのはこれが初めてでした。映画ももちろん引き込まれて楽しかったけど、ポンジュノ監督のキャラクターにも引き込まれる!(下にリンクを貼ってあります)

是枝監督にたくさんの疑問をぶつけていたし、映画を隅から隅まで見逃していなくて、やっぱりさすが映画監督という感じ🐻 アカデミー賞でのスピーチにも映画愛が溢れていて、見ていて泣きそうでした。

https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2020/02/0209_2.html

(大好きなredvelvetスルギさんの限定カフェ)

Call Me by Your Name(’17)

apricot apricot apricot

ルカ・グァダニーノ監督の『君の名前で僕を呼んで』。観たことある人も多いのでは?美少年エリオ(ティモシー・シャラメ)とオリヴァー(アーミー・ハマー)の男性同士の恋模様を描いた、イタリアが舞台の美しいお話。プロデューサーが、以前『モーリス』という同性愛の映画を撮った、同性愛者のジェームズ・アイヴォリーということでも注目されてきた映画。

この映画をご覧になった方に、「この映画の中で印象に残ったことと言えば?」と聞くと「アプリコット」とお答えになる確率は90パーセントだと思います。それくらい印象に残ってしまう「アプリコット」。

(勘の良い方はお気づきかもしれませんが)なんと辞書で調べてみると、アプリコットは「両性具有であり、その形から女性的意味合いを持つことがある」と出てくる!庭でアプリコットを栽培し、それをもぎ取りジュースにしたり、雨の日も風の日もアプリコットが映し出されるその背景には、LGBT的な意味合いが隠されていたと言えるでしょう。もしかすると、今回オリヴァーと出会い初めて男性を好きになったエリオは、ゲイという括りではなく「パンセクシャル」(性にとらわれず好きになった人のことが好きな人のこと)とも言えるのでは、、?

この映画中に原作者のアンドレ・アシマンが登場していることをご存知ですか?彼はエリオの家にやってくるゲイカップルの1人として登場します。ぜひそのシーンにも注目して頂きたい。

さらに彼が続編 Find Me を去年出版しました。これはエリオの父親が語りとなっていて、彼らのその後を描いています。わたしも日本で見つけてつい買ってしまいましたが、まだ全て読んでおらず、、結末楽しみです!

さてさて、『君の名前で僕を呼んで』はアマゾンプライムやツタヤでご覧になることができます!わたし自身、作品に惹かれ卒業論文でも扱ったので思い出深い作品です、、、同性愛の作品とか観たことない!という方にもおすすめ。

I am Not Okay with This(’19)

Netflix original drama

Netflixを利用中のそこの貴方!2月26日から、『ノットオーケー』というオリジナルドラマが配信されています。どのSNSでも話題になっているような、そんな注目作品。一話約20分×7話なので、時間がなくても隙間に見れちゃうお手頃さ。。

何と言っても、『ストレンジャーシングス』『このサイテーな世界の終わり』の製作陣が手がけているだけあって、期待度は高いはず。主演の男女2人は『IT/“それ”が見えたら、終わり。』でも共演しているみたい。私は観てないです、すいません。

私は最初のシーンから、なんか既視感を感じていた。それは、多分意図して『キャリー』のような演出をしていたから。ホラー映画で定番の『キャリー』は見たことある人も多いのでは?(私は高校生の時、映画館でクロエ版を見ました!)スーパーパワーを使えちゃうあたり、もちろん描写もそれっぽさ満載。

さらに、『スタンドバイミー』からオマージュして『ストレンジャーシングス』でも線路の上を歩いていたらしいけど、『ノットオーケー』にも出てくる。

古めかしい感じやポスターに惹かれて見てみたけれど、まだまだ序盤という感じなので、早く続編を期待したい!Netflixオリジナルドラマと言えば『セックスエデュケーション』もオススメ!

Sex Education(’19, ’20)

Netflix Original Drama!

「存在は知ってるけど下ネタとか無理」「興味あるけどなんか見れない」みたいな人、多いのでは?下ネタとか性教育的な話だと思いますよね。まあそうなんですけど、それ以上に思春期の興味や悩みがよく描かれていて、私はハマってしまいました。。。実際、最近シーズン2が配信され、シーズン3の制作も決定した大人気シリーズなんです!

高校生の男女2人とゲイの友人が、学校で秘密裏にセックスセラピーを始めるというお話。始めるや否や、悩みを持った高校生たちがオーティス(主人公)の元へ殺到!人に聞けない性の悩みや、パートナーとの関係、LGBTや親からの愛についてなど、彼らが日頃葛藤している悩みが次々と明かされていきます。誰もが通ってきた道だから、共感できるところもあって非常に面白い。悩みのなさそうな人ほど、心に大きな問題を抱えていて、人は見かけによらないのかも。。

もちろんセックスについての問題を抱える子もいる。それ以外にも、女性としてどう生きるべきか、自分の性的指向や性自認についての自覚など、本当に内容が深すぎる!!!いやらしいこと考えてないで、みんなに観て欲しい!

イギリスが舞台のドラマなので、イギリス英語かっこいいなぁみたいな感じでボーーっと観れるドラマでもあるかも。でもリビングじゃなくて、自分の部屋で観た方が安全だと思います。。。

Gossip Girl(- ’12)

Hello, upper east siders!

11月にニューヨークに行くからといって、見始めた『ゴシップガール』。遂に見終わりました、、全121話。長かった、でも「これ終わったらゴシップガール見るー!」とかいうモチベーションになってました。

(ニューヨーク・ダンの家の近くで撮影)

ゴシップガールは、ニューヨークのアッパーイーストサイドに住んでいる、リッチな若者たちのお話。私はこのドラマを観る前、当時インターンをしていた映画宣伝会社のお仕事で『カーライル ニューヨークが恋したホテル』という映画の上映会に参加しました。そこでは映画やアメリカを研究している方々が登壇され、「アッパーイーストサイドの人間は、そのエリアの南北には滝が流れていて、そこから先は何もないと思っている。」とおしゃっていました。このドラマを見て思った、まさにその通り。「ブルックリンなんてダサい」、「地下鉄?ありえない」こんな感じの文化、、私なんてブルックリンや地下鉄に憧れてニューヨークに行ったようなもんなのに(笑)

ちなみにこのカーライルは、ゴシップガールの中にも一瞬だけ出てきた、超有名老舗ホテル。コッポラ一家やロイヤルファミリー、ジョージ・クルーニー、ジャック・ニコルソンらが愛した、セレブに知らない人はいないほどのホテル。私はここでどうしても食事がしたくて、でも学生なのでお金がなく、朝食で我慢しました。毎週月曜日、ディナーに訪れれば、監督ウディ・アレンのクラリネット生演奏が聞けちゃうかも!

Chuck,Dan,Nate? Blair or Serena?

ここからはかなり個人的な趣味の話。私は最初、セリーナ派だったけれど、彼女の恋愛や普段の行いを見ていてブレア派になりました、、ブレアは悪のようだけれど、悪巧みができちゃうほどに秀才で、セリフの中に織り込まれる知識量が他のキャラクターとは違いました。ただのご令嬢ではなく、勉強もできて、ファッションも素敵で、彼女の魅力にだんだんと引き込まれて行きました!

男性陣の中だと、チャックが好きです。ネイトは何かと口が軽くて、女の子も取っ替え引っ替え、、、チャックはブレアと愛し合ってから、一途になって、意志も強かったので(笑)ダンも文才があって、素敵だと思います!ただただ拭えない、ブルックリンというコンプレックス。私はブルックリン好きだけどなーー!あなたの好きなキャラクターは誰ですか?

xoxo, gossip girl.