6月といえば、ジューンブライド。思えば、筆者も結婚式まであと数ヵ月。ついに準備が始まった。
しかしいざとなると、映画やドラマを観て“理想”としていた結婚式シーンがあまり思い出せない……。

そこで、自分がワクワクする式にするためにも、結婚式のシーンが印象的に描かれている映画、いわゆる“ウェディングムービー”を片っ端から観直そう!と決意した。そしてついでに、結婚式シーンを文字で記録しようと思い立ったのだ。(今後の記事はこちらから全て読むことができる)

第一弾に選んだのは、映画版『セックス・アンド・ザ・シティ』(2008年)。ウェディングドレスの美しさや、浮き立つ感情が滲み出るセリフの一つ一つは、まさに結婚式を控える人の気持ちを高めてくれる。ドラマを知らない人でも、映画だけで十分に楽しめる内容になっている。

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ビッグ(クリス・ノース)と付き合って10年、一緒に住むことを決めたキャリー(サラ・ジェシカ・パーカー)は、ついに結婚することになる。しかし結婚式当日、ビッグが現れずキャリーは大混乱。そんな彼女を心配した親友のシャーロット(クリスティン・デイヴィス)、ミランダ(シンシア・ニクソン)、サマンサ(キム・キャトラル)は、彼女と一緒にハネムーンで行くはずだったメキシコへ現実逃避の旅に出る。愛とは何か?という誰もがぶつかる問いに正面から向き合う作品だ。

キャリーの台風のように激しい心の動きが中心となる本作だが、この記事ではそこは触れずに、結婚式やドレスのスタイルについて焦点を当てていこうと思う。

【どんな結婚式にしたい?】親友と語る“自分らしいウェディング”

まずは注目したいのは、理想の結婚式について、キャリーがシャーロットとアンソニー(マリオ・カントーネ)と話すシーンだ。結婚式の準備はパートナーあってこそだが、友人からの意見もとても重要なものだろう。

そのシーンでは、キャリーは結婚式で着ようと購入していたシンプルな白のスーツを披露する。しかしシャーロットたちにはあまりにシンプル過ぎたようで、もっと豪華なドレスを着るように勧められる。

映画を最後まで見た今思うのは、キャリーはこの白スーツを着て質素な結婚式を挙げるべきだったのかもしれないということだ。とはいえ、周りに勧められて豪華な結婚式を選んだキャリーの表情は輝いていたし、自分を超えた自分を引き出すために時には客観的な意見も必要だ。自分の思うようにやりつつ、友人の意見を取り入れるのがベストなのかもしれない。

【ウェディングドレスの参考に】キャリーがVOGUEで着こなす豪華ドレスたち

自身の恋愛を赤裸々に書いたエッセイが人気となり、超売れっ子ライターとなったキャリー。40代で独身を貫いていた彼女が遂に結婚するという大きな話題にVOGUEの編集長が注目し、キャリーの特集が組まれることになる。

その撮影でキャリーが着るのは、キャロライナヘレラの裾がふわふわなドレス、真珠のネックレスが全体を彩るクリスチャンラクロワのドレス、ランバンの膝上の短いドレス、大きな帽子にフワッとした長袖が印象的なディオールのドレス、すとんとした形でレース柄が全体を覆うオスカーデラレンタのドレス、うすいゴールドと白の生地がレイヤーになっているヴィヴィアンウエストウッドのドレス……結果的にキャリーは、本番でヴィヴィアンウエストウッドのドレスを着ることになる。

さすがにここまで豪華なドレスは着ることができないが、キャリーのスタイルを見て想像を膨らませることはできる。ドレスと言っても千差万別、とてつもない種類がある中で、キャリーのスタリングから自分が着たいイメージをなんとなく掴むことができるかもしれない。ドレスショップに向かう前に、一度目を通すことをおすすめしたい。

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【結婚式の会場選び】キャリーが選んだのは“図書館ウェディング”

キャリーは本を返却しに行った時、図書館でも結婚式を挙げることができることを知り、自分もそこでやろうと決意する。ライターのキャリーらしい、斬新な選択だ。

しかし残念ながら、結婚式当日にビッグが会場の前で引き返してしまったため、内装はどのように飾り付けされているのか見ることはできない。それでもリムジンから現れて大きな階段を一歩一歩上がっていくキャリーの姿はとても美しく、「自分もああ見えたらな……」と妄想できるシーンだ。キャリーとビッグの感情が爆発するハイライト的シーンでもある。

都会の中に佇む教会、結婚式場、ホテルだけでなく、海辺や自然に囲まれたガーデン、神社、牧場など本当に多くの場所を選択できる今、キャリーのように自分らしさを表現できる場所はどこだろうか?と、一度自分自身を見つめ直してみるのもいいかもしれない。

【結婚式前夜の楽しみ方】バチェロレッテパーティーで思い出をつくる

日本で行う人は少ないかもしれないが、海外では結婚式の前夜祭として独身最後の夜を友達と楽しむバチェラー/バチェロレッテパーティーというものが存在する。

本作はそれほど過激ではなく、大人な雰囲気のレストランで友人たちと食事をした後、クラブのような雰囲気のバーで夜遅くまで楽しんでいた。『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』のように、はっちゃけすぎて記憶を失い、結婚式に支障をきたすことがないよう注意が必要だ。

また、楽しい食事の場で失言をするような友人にも気を遣う必要あり。ビッグの共同経営者やミランダが口を滑らせたように、2人の結婚に亀裂が入るような出来事を生まないためにも……もしかしたらパーティーは控えた方がいいのかも?

【すれ違いに注意】キャリーとビッグに学ぶ、2人での準備の仕方

本作を観て、一番参考になったのはキャリーとビッグが口論するシーン。結婚が3度目のビッグは、結婚式よりも新居の工事状況の方が気になっている。また、キャリーが招待客を75人から200人に増やしたことに驚き、呆れる表情を見せる。そして「まるで見せ物だ」と怒るのだ。

ビッグは、自身の3度目の結婚について何を言われるか不安に思っていて、結婚式は重要視していない。「君が欲しい、それだけだ」と正直な気持ちを打ち明ける。(なんとロマンチックな台詞だろう……)

一方のキャリーは、ビッグの気持ちに理解を示しながらも、結婚式に舞い上がっていて、自分が理想とする式をやろうと懸命に動いている。一生に一度のことだから、自分のやりたいようにやるのは当たり前。ただこのシーンでは、そんな中でも相手の意見も尊重して進めていくことの大切さを学ぶことができる。わかっていても非常に難しい、夫婦の最初の試練だ。

ビッグのように、当日になって不安に襲われるパートナーもいるかもしれないから、離れて準備をしていても、スマホは肌身離さず持って、いつでも連絡できるようにしておくのがベストだろう……。

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筆者自身が結婚式に向けて観た映画の中で、参考にしたいと思ったシチュエーションやドレス、注意した方が良さそうな点などをまとめみた。